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2011年3月25日金曜日

東北関東大震災とTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、さらに新たな価値

東北関東大震災によって、東北・北関東地域の産業基盤は大きく損なわれてしまいました。
また、その後に発生し現在も継続している、福島第一原子力発電所における事故と放射性物質の環境への放出は、復興への大きな阻害要因であるばかりでなく、この地域の主たる産業である農林水産業・畜産業に甚大な被害をもたらしつつあります。

菅政権が「平成の開国」をスローガンに昨年10月にTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加を表明し、特に農産物の関税自由化問題を中心に参加是非の議論がまさに沸騰していた時期に、上述の災害が発生しました。

この災害によって、我が国の「安全・安心」という世界から評価されてきた価値も幾つかの点で損なわれたと考えられます。特に、食の「安全・安心」、技術力の「安全・安心」です。また、地震・津波といった地政学的リスクの増大もあらためて認識されました。
事実、食の「安全・安心」においては、その価値で市場を期待していた中国で、日本の食品が排除される事態が起きつつあります。また、技術力の「安全・安心」については、海外の原子力開発事業での日本企業の技術競争力が問われる事態が懸念されています。

「安全・安心」はTPPにおいて我が国の大きなアドバンテージであり、経済的価値を伴うものでした。その一部が損なわれた状態のままTPPの交渉を進めることは得策でないことは明白です。

震災を機にあらたな価値の創出を被災地を中心に推し進め、その価値においてTPPの交渉に臨むことが肝要と考えます。

私の考える新たな価値とは、現政権が発足時に掲げていた「環境分野での経済成長」での再生可能エネルギーを中心とする「グリーン・イノベーション」です。この経済価値を真っ先に掲げたのはオバマ政権でした。しかし、この価値を創出するだけのイノベーションは米国にないことに最近気づいたのか、オバマ政権はもはや「グリーン・イノベーション」にはさして熱心ではありません。だからこそ、「グリーン・イノベーション」は我が国での価値となり得ると考えるわけです。

被災地の状況を鑑みて、このように言うのは酷かもしれませんが、復興に際しては是非とも「環境分野での経済成長」での再生可能エネルギーを中心とする「グリーン・イノベーション」を新たな価値として取り込んだ計画を立てて欲しいものです。罹災者にとっては、元の通り、昔の通りに復興したい気持ちがあるでしょうが、過去を振り返ることではなく、未来に顔を向けて全く新たな視点で復興を図ることが必要と考えます。

たとえば、災害や外的環境要因に強い第一次産業(農産物育成・加工のプラント化、環境発電技術を駆使した省エネルギー化、CO2排出権取引を組み込んだ森林事業を頂点とした新たな経済システム)、市町村行政や医療・福祉における住民との電気通信技術の高度な適用、ガソリンや石油由来の化学肥料を一切使わない脱炭素社会、脱原発、外国からの観光客を呼び込めるような地域の文化・歴史を反映した町づくり・景観、内外への情報発信による情報過疎からの脱却、外国からの投資や若者の就業を図れるような地域を超えた事業計画、人口構成で子供と若者が一番多い地域、といった今まで都心部でも試みられてこなかったことを、大災害を機に新たなチャレンジとして掲げてみてはどうでしょうか?

その為には産業分野を超えた知恵と技術を被災地に結集させること、且つ従来のコミュニティーに新たな価値を共有してもらえるように、若い世代を中心に住民も積極的に「グリーン・イノベーション」を中心とする復興計画に参加してもらうことが良いと考えます。
現政権がTPPの交渉を進めるつもりであるなら、こういった前向き且つパイオニア的なチャレンジを被災地が行うことを表明し、旧来の価値からの転換を「鮮烈に(突き抜けて)」印象付ける必要があるでしょう。

災害を機に、生まれ変わること、それに向かってチャレンジすることが、明日の希望となります。視点は「鮮烈に(突き抜けて)- vividly (まさに'生きる'という意味です)」です。

by R. Enomori

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