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2010年12月21日火曜日

提案:GPS 機能付携帯通信端末とCGM(消費者形成型メディアConsumer Generated Media)上のデータ(狭義ではSNS(Social Networking Site、例えばTwitter))を用いた“人ナビゲーション”、その情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム

GPS機能付携帯通信端末CGM(消費者形成型メディアConsumer Generated Media)上のデータ(狭義ではSNSSocial Networking Site、例えばTwitter))を用いたナビゲーション・システム(“人ナビゲーション”)、そのための情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム

要約:
GPS機能付携帯通信端末[1]iPhoneなどのスマートフォン含む)において、GPSによって測位/測距された端末の位置情報又は任意の位置情報に基づき縮尺・スクロール可能な地図ページを係る位置情報を中心点とした任意の距離範囲(縮尺)で表示し[2]、その地図ページ上の端末の位置又は任意の位置においてSNSSocial Networking Site、例えばTwitter)への投稿などをインタラクティブに可能にするナビゲーション・システム(“人ナビゲーション”)を情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムにて提供することに関する。
具体的には、ユーザは自身の携帯通信端末の位置から所定の距離範囲(縮尺)内、又は、任意の位置から所定の距離範囲(縮尺)内で投稿した他者の存在をポリゴンにて地図ページ上で確認することが可能で(ポリゴンの表示の仕方で投稿したばかりか否かを識別できるようにしても良い)、任意のポリゴンを選択すると、選択したポリゴンから吹き出し状(ポップアップ)に投稿内容が表示され、その内容をその吹き出しの中でタイムラインに確認することが可能であり、Oauth機能などを利用してその状態で相手に返信、転送やフォローを行うことが可能。返信、転送又はフォローを行う場合は、自分と相手を二分割画面等対比しやすい画面にし、各々、プロフィールとともに最新の投稿内容を表示する。
ユーザは複数のユーザのポリゴンを地図ページ上で選択し、自身の携帯通信端末の位置又は、任意の位置から最適な経路の案内を受けることが可能(ナビゲーション)。投稿に付随する位置情報は実際の位置情報/任意の位置情報/非表示のうちのいずれかの選択を可能とする。事業者は原則として実名で実際の位置情報にて広告等の投稿を行うものとする。この際、ボッド(Bod)を利用して情報をユーザの返信する投稿内容に応じて自動発信又は予約発信しても良い。ユーザは事業者の広告等に返信、転送又はフォローすることを条件に事業者の商品・サービスについて割引などの特典を受けることができる。特典は電子マネーカード(Suica/PASMO/PiTapaなど)などの提供するポイントプログラムでのポイントとしても良い(支払いを電子マネーカードで行う場合)[3]
SNSSocial Networking Site、例えばTwitter)の投稿に空間・時間の連続性の属性をSNSの外部で付加することによって、ユーザが消費者の場合は、消費者の動態(動線)調査を容易にする。また、ユーザが事業者の場合、消費者とのコンタクト・ポイントの自動発信/予約発信による通知や(タクシーの現在位置や移動車両販売の営業予定場所の表示など)、ユーザの投稿でのクレーム、オン・コールやオン・デマンドに対して最短のルートや時間での対応を地図ページ上の位置関係から可能にする(例えば、タクシーの呼び出し/配車、コミュニティーバスの地図上の位置での停車など)。
自治体が利用する場合、防犯・防災情報(例えば、交通事件の場所、がけ崩れなどの危険箇所や火災発生箇所)やソーシャルサービスのポイントを地図ページ上の任意の位置に任意の時間、ポリゴンで表示可能となる。
従来の例との比較で言えば、広告代理店などの広告管理事業者が発信する、地域の観光スポットや利用可能な施設の案内をするためのガイド(タウン誌・イエローページ)、割引サービスなどの案内をするためのガイド(ホットペーパーの類)に代わって、提案の人ナビゲーションは、事業者・消費者が主体的に発信するライブな情報を地図上に発信する位置で表示し、発信者同士の能動的な地図上でのすれ違いや、ゆるいつながりを促進しつつ、その上で、発信された内容を事業者のサービスやマーケティングに有効に利用可能なナビゲーション・システム(人ナビゲーション)を提供するものである。バーチャルなSNSSocial Networking Site、例えばTwitter)の投稿に、時間・空間といったリアルな場を与えることによって、すれ違いを楽しむ[4]だけでなく、実際に出会うまでを消費者主体で可能にするナビゲーション・システムを提供するものである。
 また、自治体の提供するサービスの多くは、自治体と地域住民の物理的なコンタクト・ポイント(例えば、役所の窓口)で行われ、その案内は広報誌や自治体の専用のネットサイトでなされるが、提案の人ナビゲーションでは、広報誌や専用のネットサイトを使わずに、コンタクト・ポイントとサービスの案内を地図ページ上でインタラクティブに表示することが可能である。即ち、自治体と地域住民が共にSNSSocial Networking Site、例えばTwitter)のユーザであるなら、地域住民が自治体(例えば、前橋市役所)をフォローして、自治体からのBodでの周期的な自動/予約投稿(例えば「住民税についての問い合わせはこちらへ」)に対して、何らかの返信をすることによって、地図ページ上でコンタクト・ポイントとともにその答えとなる通知内容(例えば、「前橋県税事務所はここです。窓口の開いている時間は平日の午前9時から午後4時迄で、駐車場はありません。」など)を確認することを可能とするナビゲーション・システムを提供するものである[5]
 さらに、先進的な利用方法として、来るべきクラウド社会での「コミュニティー・オブ・プラクティス[6]」を本提案のナビゲーション・システムで実現することも可能である。即ち、特定のテーマ毎に地図上のコミュニティーを構築し、異なる分野・領域の人同士やサービス・技術同士のすれ違いや出会いを支援し、斬新なアイディアやビジネスの獲得や問題の早期解決を本提案のナビゲーション・システムで促すことが可能である。群集知(情報やナレッジ)を共有し、問題の解決をそこに求めたり、すれ違いや出会いによって人と人/業務と業務とを反応させる(活性化)ための基盤を提供するものである。この場合、主体的・能動的な行動を促すには「見える化(visualize)」が効果的で、地図情報が最も相応しい[7]。また、地域活性の観点では、その地域に実際に足を運ばせること/人と人とが顔を合わせてコミュニケーションを行うことが大切であり[8]、地図情報はそのような行動を促すものである。

構成要素:
利用する主な要素:
     GPS機能付携帯通信端末[9]iPhoneなどのスマートフォン含む)
     SNSSocial Networking Site、例えばTwitter)およびSNSの提供するApplication Program Interface (API)
     携帯通信端末のGPS機能で測位された位置/時刻情報、ヘッディングアップ機能で測位された進行方向情報、加速度センサー、ジャイロセンサーから測位された情報
     商用地図検索サービス[10](マピオンなど)の提供する地図情報(フリースクロール可能な地図ページ/位置コードなど)および当該サービスの提供するApplication Program Interface (API)
     電子マネーカードSuica/PASMO/PiTapaなど)の提供するポイントプログラム
     携帯通信端末上で操作可能なウエブアプリケーション、携帯通信端末画面を描画・制御するための技術(Flash/HTML5など)/ウエブアプリケーション上での投稿・フォローなどの操作/ユーザ同士のすれ違い通信をインタラクティブに実現する
     APIの利用制限(リクエスト制限)と障害(通信切断)に対処するための外部サーバー上でのデータ構成およびトランザクションの仕方
     SNSSocial Networking Site、例えばTwitter)の投稿にGPSなどから得た位置情報に基づく空間・時間の連続性などの属性を外部で加え、地図情報に反映させて、結果を携帯通信端末上のウエブアプリケーションでインタラクティブに表示する

サービス言語/地図:
     日本語(多言語でのインターフェイスも段階的に用意)
     国内(海外も含めるべきかは要検討)
     携帯通信端末からのウェブアクセスでCGMを利用するためのウエブ・ツール
(ウエブアプリケーション)
参考モデル:
     ドラゴンクエストIX 星空の守り人(スクウェア・エニックス社)”
すれ違い通信機能
     “Google LatitudeGoogleのマップ上での居場所確認機能
     “foursquare”はてなココ(はてな)GPSに基づく位置情報
共有機能/twitter送信機能
     電子マネーカードでの固有IDによるポイントカード化
(PiTaPaカードの「神戸ポイント」)
     ボッドBodを利用した情報自動発信(クックパッド(「@recipetter 食材」)/
予約発信(TweetLater

知的財産(特許など)上の先行技術/従来技術:
        ・ 要調査

背景技術:
多数のコンピュータがネットワークに接続されたインターネットにおいて、消費者が情報コンテンツを作成してインターネット上に発信し公開するCGM(消費者形成型メディアConsumer Generated Media)と称される配信システムおよび配信方法の普及が著しい。CGMの例として、消費者が自ら書いた日記を公開するブログ(blog)、消費者が購入した商品の感想を書いて公開する口こみサイト、消費者が撮影した写真を公開する画像共有サイト(例えば、Flickr(登録商標))、消費者が撮影したビデオ映像を公開する動画共有サービス(例えば、Youtube(登録商標))、SNSSocial Networking Site、例えばTwitter(商標登録))などが挙げられる。CGMとして公開されるデータをCGMデータと呼ぶこととする。
コンピュータ以外のインターネットに接続可能な電子端末、例えばインターネットに接続可能な携帯通信端末、携帯音楽プレーヤーや携帯ゲーム機の普及もあり、消費者がインターネット上に発信するCGMのデータ量は年々増大している。
CGMデータは消費者が情報コンテンツを作成してインターネット上に発信し公開するというデータとしての自発性・主体性から、世論や口こみなど、世相や物事の評判をありのままに形成するため、近年、事業者においても商品またはサービスを購入するポテンシャルのある顧客候補に対する情報提供(情報収集)などマーケティング・コミュニケーション活動において、特に情報収集目的でCGMデータを利用する動きが顕著である。
マーケティングにおいてCGMデータはそのデータの世論や口こみといった自発性・主体性ゆえに情報収集の対象として使われてきた。マーケティングの別の目的である情報発信において、
CGM(消費者形成型メディア)に事業者が情報発信をあまり直接且つ積極的に行うことは、消費者が主体の消費者形成型メディアにおいてはそぐわない感がある。事実、事業者がマーケティングの目的で発信したそのようなCGMデータは営業宣伝データとして消費者から無視され易い。
従来、事業者側で、口こみをマーケティングにおける情報発信に利用する手法として、事業者又は広告代理店などの広告管理事業者が運営するインターネット上の特定のサイトで、消費者に購入した商品やサービスの感想の投稿(口こみ)を可能にして、その情報を公開することが一般的に行われてきた。しかし、この手法では事業者と消費者との狭い関係が最初から存在し、CGMの広い関係での人と人とのつながりを促進・サポートするコミュニティ型のメディアとしての性質とは整合しないものである。
また、昨今、市場や技術が頭打ちとなって多くの事業者がコモディティ化戦略[11]を取る一方で、脱コモディティ化を指向する事業者も現れている。即ち、CGMデータを元にアフターサービスや調達性を高め、新たな価値観の創出で他者と差別化を図り、消費者に特定の事業者の商品やサービスを選択してもらおうとすることである。このことは元々コモディティ化戦略を取りづらい地方の中小事業者についても当てはまる。即ち、地域経済の活性は本来、脱コモディティ化を指向するものであり、その地域/その地域の商品・サービスを消費者に選択してもらうことを目的としているのであれば、CGMデータをどう扱うかが課題である。

本提案の解決しようとする課題:
  上述の背景技術をもっても、CGM(特に、狭義のSNSSocial Networking Site、例えばTwitter))を促進・サポートしつつ、事業者の脱コモディティ化にも有効な統合的な情報基盤は未だ提案されていない。
  そこで本提案は上述の背景技術を改良しさらに新たな技術要素(空間・時間の連続性などの属性や地図情報上のすれ違い通信など)を付加することによって、CGM(特に、狭義のSNSSocial Networking Site、例えばTwitter))での広い関係での人と人とのつながりを促進・サポートしつつ、事業者側からの一方的な広告ではなく、消費者が主体的・能動的に事業者を地図上[12]で探し、事業者に対してクレーム、オン・コール又はオン・デマンドをし易く、且つ事業者もその上で、消費者の主体的・能動的行動に対応した効果的な対応や分析が可能なナビゲーション・システム(“人ナビゲーション”)を情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムにて提供することを目的とする。


以上の提案について関心のある方はご連絡ください。

(本投稿に掲載されている内容の著作権は、R. Enomoriにあります。そのため本サイトに掲載されている内容につき、無断で転載、複製、頒布はなされないようにお願いします。) 

以上


[1] GPS機能が付いていない携帯通信端末であっても、任意に位置情報を入力(地図上から選択)することができるものとする。
[2] 携帯通信端末のヘッディングアップ機能で進行方向を上にした地図ページの表示としても良い。
[3]フォローされている人数(上限設定有)やリピート回数を考慮し、ロールプレイングゲームのようにポイントを経験値としてユーザに与えて、経験値が増せば、ポイント獲得が次第に有利になるようにしても良い。
[4]ドラゴンクエストIX 星空の守り人(スクウェア・エニックス社)”のすれ違い通信のような、地図上の偶然の出会いや発見といった楽しみの要素が必要である。事業者には社会的に期待される役割をそのまま実行してもらう(ロール・テイキング)、他方、消費者には役割を自発的・創造的に演ずる(ロール・プレイング)場を提供することで楽しみの要素を与えるものである。事業内容によっては、事業者も消費者とともにロール・プレイングをして良いかもしれない(例えば、ストーリー性のある観光スポットの案内や、宝探しラリーなど)。
[5] 返信に対してBodで自動的に情報を返す場合は、そのコンタクト・ポイントがポリゴンとして中心に来るように地図ページを表示し、併せて案内を吹き出し状に表示しても良い(複数のポイントがある場合は、何らかのアクションで次のポイントと地図ページを表示しても良い)。このためには、返信に応じて決められた情報をコンタクト・ポイントの位置情報と併せて自動的に発信する外部データベース・システムが必要となる。
[6]コミュニティ・オブ・プラクティス(実践コミュニティなどとも呼ばれる)はエティエンヌ・ウェンガーによって提唱されているコンセプトで、「あるテーマに関する関心や問題、熱意などを共有し、その分野の知識や技能を、持続的な相互交流を通じて深めていく人の集団」であると定義される。(株式会社NTTデータ経営研究所)
[7] 実際、Googleはマップやストリートビューを見せ餌にして、ユーザの主体的・能動的な情報の共有化/業務の共有化(Google Apps)を促している。
[8] ネットビジネスだけで地域活性を図るのはバーチャルな効率化であって、実際にその地域の生活者(群衆知)に活性をもたらすものではない。特に観光業は「そこでしか○○できない」何かがあるから、外から人とカネをその域内に呼び込めるので、足を運ばせ/人と人とが顔を合わせてコミュニケーションを行わせることを常に考えるべきであろう。
[9] GPS機能が付いていない携帯通信端末であっても、任意に位置情報を入力(地図上から選択)することができるものとする。
[10] Google Mapsも選択肢だが、Google以外の第三者が会員制(第三者の営利目的)で利用することは禁じられている。
[11]市場が膠着している状態に、低価格で一定の機能や価値を持つ製品を投入、既存市場を切り崩すこと(ユニクロなど)。市場は安価な製品を求めているはずだという事業者側からの一方的な視点であって、消費者形成型メディアを特に必要としていない(従来型の広告宣伝だけで良い)。
[12] 主体的・能動的な行動を促すには「見える化(visualize)」が効果的で、地図情報が最も相応しい。



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